2020-11-26
この講座を受講できるのは、絶望している人だけです。(絶望していない人は速やかにお帰りください。)
この講座では、絶望していることへの価値判断は行いません。(それはご自身で、すでに嫌でもやられていることでしょうから。)
ここでは、絶望していたかもしれない作者が書いた本を輪読します。
本講座を開講する目的は、絶望している「わたし」の可視化、文字化、多元化です。
したがってこの講座は、受講者の絶望を癒すものではなく、講座案内人にはそのような能力もスキルもありませんので、期待しないでください。
各回の輪読書籍は以下の通りです。
なお、選書は講座案内人の独断ですので、選書内容と「絶望」の濃淡はご自身で判断してください。
- 1週目:與那覇潤『歴史がおわるまえに』亜紀書房、2019年.
- 2週目:マーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』(セバスチャン・ブロイ・河南瑠莉訳)堀之内出版、2018年.
- 3週目:酒井隆史『暴力の哲学』河出文庫、2016年(単行本は2004年)
- 4週目:ウォルター・ベンヤミン『暴力批判論』(野村修編訳)岩波文庫、1994年.
- 5週目:新共同訳聖書「ヨブ記」
- 6週目:ハンナ・アーレント『暗い時代の人々』(阿部斉訳)ちくま学芸文庫、2005年.
- 7週目:ミヒャエル ・エンデ『はてしない物語(上・下)』(上田真而子・佐藤真理子訳)岩波少年文庫501/502、2000年.
- 8週目:トルストイ『人生論』(原卓也訳)新潮文庫、1975年.
- 9週目:デヴィッド・グレーバー『アナーキスト人類学のための断章』(高祖岩三郎訳)以文社、2006年.
- 10週目:シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』(冨原眞弓訳)、岩波文庫、2018年[1934年].
毎回の講座では、ご自身の考察を読み上げていただきます。
本文全体についての所感でも、本文中で気になった箇所を取り上げて考察を付け加えるのでも、何でも構いません。
ただし、必ず1度は何かを発してください。(ことばにならない音であっても。)
10週を終えたのち、ご自身の「絶望」について、1つ(以上)の書籍を取り上げて批判的に考察し、
A4で5-10枚にまとめて提出してください。
それでは、絶望講座をはじめましょう。
本講座では扱わなかった本:
- H・S・クシュナー『なぜ私だけが苦しむのか』(斎藤武訳)岩波現代文庫、2008年.
- トルストイ『イワン・イリッチの死』(米川正夫訳)岩波文庫、1973(1928)[1884-1886]].
- 國分功一郎『暇と退屈の倫理学(増補新版)』太田出版、2015年.
- 酒井隆史『暴力の哲学』河出文庫、2016年(単行本は2004年)
- デヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ』(酒井隆史・芳賀達彦・森田和樹訳)岩波書店、2020年.
- 大澤真幸・國分功一郎『コロナ時代の哲学』オー、2020年.
- 斎藤環・與那覇潤『心を病んだらいけないの?』新潮選書、2020年.
- ショーペンハウエル『自殺について(他四篇)』(斎藤信治訳)岩波文庫、1979年.
- ソレル『暴力論(上・下)』(今村仁司・塚原史訳)岩波文庫、2007年[1908年].
(この講座はフィクションですが、紹介した書籍は全て実在のものです。)
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