仲良くなりたいと思う相手を見つけたら徐々に距離を縮めていくのが楽しくて好きと話してくれた隣人が
「初め引っ越していらしたときはヤバイやつ来た!と思いました~!」
とカミングアウトしてくれて笑った
夫同士が同じ会社という社員住宅の人間関係はある意味特殊であると思う
この場合、彼女の”ヤバい”は、”周りの目を気にせず周囲に合わせることなく自分の好きなものを着る”ことを指している
堂々としていてオープンに意見を述べるタイプの彼女が、「ここに引っ越してきたとき手持ちの服を全部捨てたんです」と話してくれて驚いたけれどその気持ちには心当たりがある
コミュニティや社会的役割に合わせて服装を変えるということ
いま思えば頭がおかしいけど
娘を妊娠したときにフェミニンなデザインのワンピースを封印し、これからはユニクロのシャツやジーンズで生活しなきゃいけないんだとなぜか思い込んだ
海外での生活が始まると
ばかじゃないかと思うような値段のほとんど何も入らない大きさのバッグがどうしても欲しくなったり
日本に帰国したら着れないだろうなぁと思いながら、ビビッドな色のドレスを何着か買った
日本への本帰国が決まったら
髪に入れたハイライトはもとに戻そうとか
衝動買いしてしまったピンクのドレスはメルカリで売ろうとか…
(我ながら極端である。夫はその都度ドン引き)
窮屈に服選びをした過去もあるけれど、ファッションを自由に楽しむ素敵な女性たちに出会えたおかげで自分らしく身に付けるものを選択出来ているのだと思う
周りからどうジャッジされるかを(極力)考えずに
その日、引っ越し先となった社員住宅の全家庭にあいさつまわりに伺った日
丈の長いシンプルなワンピースに、黒のローヒールパンプス
“常識的な服装”であったと思う
浮いていたのだろうか
調子に乗って見えた?笑
彼女にとって初めての社員住宅生活は、手持ちの服を一新してもっと地味で手頃な値段の服装で生活しなきゃと彼女を駆り立てた
私の当時の渾身の”常識服”をヤバイ呼ばわりした彼女も今や、明るい色のニットに、上質でセンスの良いバック、さりげなくイタリアブランドの靴
自分らしく選択する人は好きだ
今やいっしょに”ヤバイやつ”になったわたしたちだけれど、実際は他の住人に疎まれることもなく、むしろ関係はとても良好(だと思っている)
とんでもないカミングアウトだったが、また一気に彼女との距離が深まったのを感じてとても嬉しかった