『私たちの星で』 「違う文化を拒絶せず黙って受け入れた経験を、たくさん持てば持つほど、ひとの「寛容」はどんどん鍛え抜かれていき、そのことがきっと、私たちを「同んなじ家族」(趣味嗜好が違うおじいさん世代、孫世代が互いに干渉しない、でも互いの存在は認めている、という理想の──)にする、という観測は、あまりにもナイーヴな楽観主義でしょうか。」(p.76) 梨木香歩「11 あれから六万年続いたさすらいが終わり、そして新しい旅へ」