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Fantasy

『モモ』

 

はじめのうちは気のつかないていどだが、ある日きゅうに、なにもする気がしなくなってしまう。なにについても関心がなくなり、なにをしてもおもしろくない。この無気力はそのうちに消えるどころか、すこしずつはげしくなってゆく。日ごとに、週をかさねるごとに、ひどくなる。気分はますますゆううつになり、心のなかはますますからっぽになり、じぶんにたいしても、世のなかにたいしても、不満がつのってくる。そのうちにこういう感情さえなくなって、およそなにも感じなくなってしまう。なにもかも灰色で、どうでもよくなり、世のなかはすっかりとおのいてしまって、じぶんとはなんのかかわりもないと思えてくる。怒ることもなければ、感激することもなく、よろこぶことも悲しむこともできなくなり、笑うことも泣くこともわすれてしまう。そうなると心のなかはひえきって、もう人も物もいっさい愛することができない。ここまでくると、もう病気はなおる見こみがない。あとにもどることはできないのだよ。うつろな灰色の顔をしてせかせか動きまわるばかりで、灰色の男とそっくりになってしまう。そう、こうなったら灰色の男そのものだよ。この病気の名前はね、致死的退屈症というのだ。

 

─ミヒャエル・エンデ(大島かおり訳)─

 

 

 

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